ヴィジュアル系音源レビューという名目の戯れ言。

ヴィジュアル系、又はそれらと親和性の高い音楽CDの出来損ないレビューです。失礼なことも敢えて平気で書きますが完全に小僧の戯れ言なので気にしないで頂けたら幸いです。

NIGHTMARE プレイリスト(VAP編)

ナイトメアのVAP在籍時代に発表された楽曲のみで構成されたプレイリストです。

自分用に作ったものなのですが、メモ代わりにここに置いておきます。

ナイトメアは全曲大好きで、捨て曲とかが一切ないバンドだと思っているので、選抜基準は

代表曲+流れの中で必要に感じた曲

になっております。

意外と流れも良くて、聴きやすいかなと思うのでオススメです。

()に記載しているのは初収録された作品タイトルになります。


1 Parade     (「majestical parade」収録)
2 a:FANTASIA   (「a:FANTASIA」収録)
3 DIRTY      (「DIRTY」収録)
4 BOYS BE SUSPICIOUS (「the WORLD Ruler」収録)
5 MASQUERAD (「majestical parade」収録)
6 the LAST SHOW (「Killer Show」収録)
7 ジャイアニズム罰 (「Killer Show」収録)
8 メビウスの憂鬱 (「DIRTY」収録)
9 love adicct (「Rem_」収録)
10 Crevasse     (「the WORLD Ruler」収録)
11 このは      (「このは」収録)
12 Lost in Blue    (「Lost in Blue」収録)
13 Rem_       (「Rem_」収録)
14 レゾンデートル  (「レゾンデートル」収録)
15 Can you do it?   (「majestical parade」収録)
16 Mr.trach music   (「majestical parade」収録)
17 Criminal Baby   (「the WORLD Ruler」収録)
18 MAD BLACK MACHINE (「NAKED LOVE」収録)
19 MELODY      (「majestical parade」収録)
20 アルミナ     (「the WORLD/アルミナ」収録)
21 White Room    (「Killer Show」収録)
22 ジャイアニズム天 (「GIANIZM」収録)
23 the FOOL (「the WORLD Ruler」収録)
24 Morpho      (「the WORLD Ruler」収録)
25 縷々~lulu~   (「the WORLD Ruler」収録)
26 cloudy days   (「このは」収録)

#シングル曲より好きなカップリング曲15選

皆様、いつも大変お世話になっております。

さて、久しぶりのブログ更新なのですが今回はいつもと趣旨を変えてみました。

ふとTwitterを見ていたら
#シングル曲より好きなカップリング曲4選
というハッシュタグを付けたツイートを見かけまして…。

自分も考えてみたのですが、どうも4曲には絞りきれない!笑
ということで記事にしてみようと思います。

文字数の制限から解放されたとはいえ、何十曲も挙げていてはキリがないので、今回は15曲に限定して書き始めます。

それではいきます!!!



※曲の紹介順に意味はございません。



1 セレネの微熱 / BAISER
(プリズム)

今では懐かしい8cmシングルにのみ収録された楽曲なのですが、めちゃめちゃキラーチューンなんですよね!
勿論、表題曲の「プリズム」も云わずと知れた名曲ではありますが、それに負けない程のポテンシャルを持っているのではないか?と思いますよ。
疾走感のあるイントロ、メロディアスなサビ、どこを切り取っても最高としか言えないですね!!



2 STAY... / La'cryma Christi
(JUMP!!)

ラクリマは「偏西風」や「Blossom」など、シングルカットされているのでは!?と勘違いしてしまう程のカップリング曲が少なくありません。僕も上記の曲と悩みましたが、どちらも後にオリジナルアルバムに収録されたという点から、オリアル未収録の「STAY...」を選びました。KOJIさん作曲の中でも、際立って哀愁が漂っている楽曲なのではないかなと。Aメロの何とも言えない気怠さというか漂う寂しさがツボです。



3 Peeping Tom / L'Arc~en~Ciel
(DIVE TO BLUE)

メジャー感があり爽やかな印象さえ受ける表題曲に対し、こちらはアンニュイでゆったりとした楽曲。これがまた結構好きなんですよ。ラルクの浮遊感のある楽曲ってどれもツボで、この曲も耳心地はふわっとしていているのですが、歌詞を紐解くと実は穏やかな曲調はフェイク。「のぞき魔」などの意味を持つタイトル通り、さらっとダークな内容をこの曲に乗せるhydeさんのセンスは最高ですね!



4 Pureness Liar Girl / MASCHERA
(ラストフォトグラフ)

これは絶対ヒットすると確信が持てる程の名曲な表題曲だけでもシングルCDとしてお釣りが出る程だと言うのに、カップリングにもこんな良曲を抱き合わせる贅沢さ。後にベストに収録されるのも納得です。個人的にはMASCHERAの中でもTOP3に入るくらい好きな曲です。



5 PINOCCHIO / RAZOR
(BRILLANT)

RAZORはハードな楽曲を表題曲に選び、意外性のある楽曲や歌モノはカップリングに収録する傾向にあるバンドなんですよね。いわゆるA面の"攻めた曲"も格好いいし、キラーチューンを間違いなく選んでいる印象ですが、カップリング等で覗かせる"聴かせる"楽曲も紛れもなく彼らの武器の1つでしょう。表題曲よりも好きか?という点で少々疑問が残ったので選びませんでしたが、シングル「DNA」に収録された「ネイキッド」もしっとり聴かせるタイプのかなり好きな曲です。



6 CRIMSON FAMILY / KAMIJO
(Symbol of The Dragon)

KAMIJOさんが作る曲はLAREINEVersailles、ソロと例外なく、表題曲以外も名曲しかないと信じて疑わない程の僕ですが、今までのカップリングの中で最も表題曲にしないのが勿体ないと思った曲です。KAMIJOさんは切なさや哀愁を表現されるのがとても得意な方ですが、この楽曲は正にそれらの真骨頂。個人的には、いつ何度聴いても泣かされるバラードはこの曲くらいですね。メロディや歌詞は云わずもがな、心の籠ったボーカルに涙腺を刺激されまくりです。大サビの繰り返し、そしてサビを繰り返したままフェードアウトする中、KAMIJOさんの叫びにも似た高音が堪らなく泣かせにきてます。ズルい。笑



7 MAD BLACK MACHINE / ナイトメア
(NAKED LOVE)

ナイトメアも絶対的にカップリングにハズレ無しのバンドで、毎回両A面シングルでしょうと思わせてくれるので選ぶのが大変でした。ですがタイトルにある通り、"表題曲よりも好きなカップリング"なので、そこを意識して考えると個人的にはこの曲以上に相応しい曲はないかなと。ダークでメロディアス、そして嘆きに満ちた歌詞、どこを切り取っても作曲者のRUKAさん節炸裂で、ファンならハマらない訳がない。
ですがこの曲、作曲者であるRUKAさん本人はあまり気に入っていないようで、後にアルバムやベストにも収録されておらず、ライヴでも演奏されることはありません。アーティスト側とファンでの受け取り方が異なる場合もあるのだなぁと実感するきっかけになりましたね。



8 蜃気楼 / Alice Nine
(Stargazer)

カップリング限定ライヴを行うなど、ファンからの人気が高いカップリング曲を数多く生み出している彼ら。この楽曲も、良作揃いのカップリングの中でも郡を抜いて人気があるようで。そりゃそうよなぁ。こんなにキャッチーでシングル級に華のある曲なんだから。初めて聴いたとき、正直タイトル曲よりもシングルっぽいなと思いましたもん。あまりカップリング曲をオリジナルアルバムに収録しない事が多いバンドですが、この「蜃気楼」は後に「GENIMI」というフルアルバムに収録されました。こうゆう曲をさらっとカップリングに入れられるバンドは強いなぁと思いますね。




9 蜃気楼 / ROUAGE
(月の素顔)

#シングル曲より好きなカップリング曲というハッシュタグを付けたツイートで、この曲を挙げている方は多くお見かけしました。そりゃそうだよなぁってなる程シングル級のキラーチューンなんですよ。敢えて大きな盛り上りを作らず、シングルとしてはマニアックなアプローチの表題曲に対し、カップリングの「蜃気楼」はこの時期のROUAGEの王道とも言える、ファンが求めるROUAGEのシングル曲っぽさが詰まった曲なんですよね。サビ頭の「close your~」という節、ずっと「どうぞ」だと聞き間違いをしていたのですが、まさか同じ間違いを経験されていたフォロワーさんがいたのはビックリしましたね。笑



10 Hysteric Moon / Janne Da Arc
(Kiss Me)

爽やかなPOPチューンを表題曲とし、カップリングには激しく攻めた楽曲を収録するというケースはロックバンドには多く見られると思います。そんな中で、自分がパッと浮かんだのはこの曲です。楽器陣の演奏力を活かした、キャッチーかつメタルチックな楽曲で、聴いて一発でハマりましたね。
個人的にサビに入った瞬間のリズムが難解に感じますが、これをシングルにしていても売れたんじゃないかなと思います。
サビ頭の「月に~」の部分を聴く度に、ついGLAYの「月に祈る」を思い出してしまうのは僕だけじゃないはず…。笑



11 Lilia /AYABIE
(流星)

AYABIEとしてのメジャー1stシングルで、カップリングにもMVが作れたものの、両A面といった扱いではないようで。当時、あまりにカップリングがいいものだから勘違いしていましたよ。歌詞こそ普遍的な恋を描いているように思えますが、切ないメロディや掻き立てるようなテンポにそういった詩を乗せることで、何処かノスタルジックな印象にもなっていたり。周りから見たら上手くいっているような恋でも、当事者ならではの切なさとかってあるじゃないですか?あの感じを上手く表現してるなと思いますね。(僕はあまり恋愛経験がないので見当違いかもしれませんが。笑)




12 君が見る夢の中 / D
(Day by Day)

幅広いコンセプトの楽曲を得意とする彼らですが、このシングルは特にDのキャッチーさが前に出た作品でした。この曲もキラキラとした切ないウィンターチューン。
発売当時から大好きで、発売以降の冬は毎年聴いている気がします。誠実さを感じる詩もツボで、「愛してる それなのに 愛だけじゃ守りきれない」、「不確かなものだから何度も確め合って」というフレーズが特に刺さるんですよね…。
イントロで聴こえるRuizaさんが奏でる12弦ギターによるフレーズが、光で煌めく雪を表現しているようで、なんとも素敵です。
通常盤にしか収録されていない「君が見る夢の中」ですが、Dでは初のHIDE-ZOUさん作曲であり、注目度もそれなりに高かったと記憶しています。



13 CRYSTALIZE / lynch.
(BALLAD)

ダークでラウドな曲を得意とする印象の強いバンドかと思いますが、lynch.は定期的にキャッチーな歌モノもやるんですよね。この曲もその筆頭で、四つ打ちのリズムやクラップに、キャッチーでメロディアスな歌メロという。そんなポップさも併せ持つメロディーチューンが強いのもlynch.の武器でしょう。
lynch.の楽曲の中で似た系統と言えば、「OBLIVION」や「KALEIDO」などが含まれますね。この手の者は大好物ですので今後も聴かせてください葉月さん。笑
後にvoの葉月さんがソロ公演を行った時、オーケストラアレンジでこの「CRYSTALIZE」を披露したのですが、そちらもメロディの良さを改めて感じられる素敵なアレンジでした。Blu-rayにもなっているので、気になった片は是非とも。



14 真実の詩 / 葵&涼平
(モノクローム)

彩冷えるのVoの葵と、元アヤビエ、そして発売当時はメガマソのギタリストであった涼平のユニットです。何やら紛らわしい説明になってしまいましたが。笑
曲が良いのは大前提として、この曲は面白い試みがされているんです。それは何かと言うと、葵さんと涼平さんは所属する事務所が異なるんですね。なのでこのシングルを発売するに辺り、両事務所で異なる収録内容のシングルを出したんですよ。同じ作品の複数売りというのはヴィジュアル系シーンでも当たり前のものになってしまいましたが、理由が理由なので珍しいケースかなと。

「真実の詩」は徳間ジャパンから発売のタイプに収録され、作詞は葵さんがされているのですが、当時の涼平さんが所属していたevex盤には、この「真実の詩」の歌詞を涼平さんが書き上げたVerである「ポビュラーノートアジテイション」が収録されています。
同じ演奏に同じメロディでも、乗せる言葉や音数が変わるだけでもこんなに伝わり方や印象が異なるんだなぁと勉強になりましたよ。

個人的には、メロディと言葉のハマり具合がこちらのほうが好みなのと、葵さんによる生々しさを感じる歌詞にとても共感するので「真実の詩」のほうが好きですね。



15 KILLER / MUCC
(ハイデ)

個人的にシングル曲よりも好きなカップリングという意味ではこの曲が一番相応しいのかなと思います。表題曲の「ハイデ」は今では好きになりましたが、発売当初は正直刺さらなかったんです。でもこの「KILLER」をはじめ、「JOKER」と「悲しみとDANCEを」のカップリング曲は全てハマったんですよね。特にこの「KILLER」は展開も多く、ハードロックかと思えばX JAPANを彷彿とさせるメタル的なセクションがきたりと、目まぐるしい曲展開も好きで。
ちなみにXのオマージュは作曲者のミヤさんも意識したそうですね。

毎回バックの演奏やテンポが変わるサビにも注目したくなります。MUCCは他にも「自己嫌悪」や「Mr.Liar」などでも1回目と2回目のサビのテンポ等を変える手法を使っていますが、飽きさせない工夫としても上手いなぁと思います。

余談ですがこの曲のサビ、SKY WINGSの「Death Element」のサビに似てるような気がします。笑
どちらかの曲を聴く度にどちらかを思い出してしまう現象が生まれてしまっているので、自分の中では勝手に兄弟曲です。笑






といった感じで15曲、選出してみましたが如何だったでしょうか…?

共感して頂けたものもあれば、そう思う人もいるんだな~と感じた部分もあったかと思われます。

その中で、「この曲知らないけど聴いてみたいな」と知らない曲を知るきっかけになったり、好きな曲をより好きになるきっかけとして頂けたのなら、この上なき幸せでございます。

僕も書いていて、ヴィジュアル系はシングル以外にも名曲が多いと改めて感じることができました。

またいつか似たようなテーマで記事を書いてみようと思います。

拙い下手な文章でしたが、最後まで読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m

RENTRER EN SOI BEST プレイリスト

RENTRER EN SOI

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作業用BESTプレイリスト

※()内に表記されているのは収録音源のタイトルです。


01 神性界 (Astreの絲)
02 LAST SCENE (MEGIDDO)
03 UNENDING SANCTUARY (UNENDING SANCTUARY)
04 CRUSADE (MEGIDDO)
05 JUST MAD PAIN (THE BOTTOM OF CHAOS)
06 THORNY RAIN BREAK (THE BOTTOM OF CHAOS)
07 Eyes of forest (Sphire-Croid)
08 見世物小屋 (RENTRER EN SOI)
09 THE ABYSS OF DESPAIR (THE BOTTOM OF CHAOS)
10 水夢見る蝶々 (水夢見る蝶々)
11 Full Moon (Sphire-Croid)
12 wither (Sphire-Croid)
13 Strawberry Oblaat (RENTRER EN SOI)
14 Re-birth (ゆりかご)
15 分裂LE+DD人格 (RENTRER EN SOI)
16 鴉色の胎児 (RENTRER EN SOI)
17 AMONGST FOOLISH ENEMIES (AMONGST FOOLISH ENEMIES)
18 TO INFINITY (THE BOTTOM OF CHAOS)
19 LAST WORD 「 」 (THE BOTTOM OF CHAOS)
20 I HATE MYSELF AND WANT TO DIE (THE BOTTOM OF CHAOS)
21 PROTOPLSM (RENTRER EN SOI)
22 SECRET SCARS-BESIDE YOU- (UNENDING SANCTUARY)
23 神話 (THE BOTTOM OF CHAOS)
24 STIGMATA (STIGMATA)
25 波紋伝う眩暈 (ゆりかご)
26 Sincerely (ゆりかご)
27 STAY GOLD (AIN SOPH AUR)



リエントが解散してからもう10年以上経過ですか…。
未だに自分の中では一線で活躍してるバンドです。笑

素晴らしい作品を7年の活動の中で多く生み出してきた彼らを過去という時間に埋もれさせてしまうのは、あまりにも勿体無い。

という訳で、記事を書いた所で何人の目に届くかも分からないショボいブログにリエントのプレイリストを公開してみました。笑

さて、リエントの音楽性はというと。

時期によってサウンドはがっつり異なるバンドで。

初期の音楽性は、2021年のヴィジュアルシーンでは、ほぼ絶滅したと言っても過言ではない"白系"と呼ばれる耽美で儚い世界観を武器にしたバンドでした。

90年代に活躍した、あの"BAISERの紫"さんによるプロデュースでデビューし、瞬く間に雑誌の表紙を飾る事に。

紫さんのプロデュースもあってか、何処と無くBAISERにも通ずる匂いもする初期の作品ですが、この頃は「初期L'Arc~en~Cielの再来」と騒がれていましたね。

その後は同事務所の先輩、DIR EN GREYや蜉蝣といった名だたるバンドメンバーからのアドバイスやサポートもあり、どんどんダークでヘヴィなサウンドに変化していきます。

この転換期にリリースされた楽曲郡は当時、かなりの賛否両論を巻き起こしました…。

今までが天使の羽が似合うキラキラした真っ白な世界だとしたら、急に真っ黒な絶望を奏でる悪魔のようなバンドになったのですからね 笑

ですがそれも、白も黒もどちらも表現出来るだけのポテンシャルを持ち合わせていたからこそ、リスナーにギャップを与えられた訳で。

どちらの音楽性も、付け焼き刃のような中途半端さはなく、振り切っているのですよね。

たしかに、技術や耳馴染みの良さを超越した"感情優先"で表現するvo砂月さんのデスボイスやシャウトは、聴く人を選んでしまうのも事実。

ヘヴィネスが当時のヴィジュアルシーンでまだ定着していなかったりと、後期のリエントの楽曲の完成度の高さを評価される機会はそう多くはなかったように感じます。

ですが、当時から歳月が流れ、良くも悪くもヘヴィなサウンドを奏でるV系バンドが量産されてしまった現在だからこそ、リエントの持つポテンシャルの高さを再確認できるのではないでしょうか。

特に、リエントの解散前にリリースされたシングル2枚とミニアルバムで示した、白時代の耽美さと黒時代で培った演奏力とサウンドを掛け合わせたような音楽性は唯一無二です。

ヘヴィでハードなサウンドに乗せて歌われるのは、裏切りや絶望による「心の痛み」なのにも関わらず、どの楽曲も儚く美しく、どこか神秘的な空気も発する世界観は、類を見ません。

所謂よくいるDIR EN GREYの二番煎じでは無かったという評価は、今だからこそ気付く人も少なくないはず。

後にDIR EN GREYの京さんによるバンド、Sukekiyoのメンバーに抜擢されるギタリスト・匠さんとドラマー・未架さんの高度な演奏力と、一線を画す程の作曲の才能。

そして繊細な歌声で白から黒まで歌いあげるボーカル砂月さんの表現力とは、まさしく唯一無二なんですよ。


当時、海外でも着々と人気を上げていた最中だったのもあり、本当に惜しまれる解散となったリエント。

あの日からずっと、5人の再結成を待っています。

現代の録音技術やサウンドプロワークで彼らの音が聴けたなら……

そんな事を思いながら、これから先もずっとリエント聴き続けるんだろうなぁ…。

本当に素晴らしいバンドなので、是非、彼らの残した作品に耳を傾けてみて頂きたい。

彩冷える BEST プレイリスト

彩冷える

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作業用BESTプレイリスト

※()内に表記されているのは収録音源のタイトルです。


01 バージンスノーカラー (バージンスノーカラー)
02 0010101 (彩-irodori-)
03 Cubic’「L/R」ock (Cubic’「L/R」ock)
04  スリートイブ (六花星)
05 Shine (バージンスノーカラー)
06 桜舞う季節に (桜舞う季節に)
07 カナリア (SHOXX限定付録CD)
08 Secret room (夏物語)
09 ミカヅキノキセキ (ミカヅキノキセキ)
10 ツクヨミ (ミカヅキノキセキ)
11 GAME (彩-irodori-)
12 0010 (バージンスノーカラー)
13 三秒 (MELTAWAY)
14 キリサメ (六花星)
15 6月8日 (Cubic’「L/R」ock)
16 I'm Vogue (MELTAWAY)
17 Labyrinth (彩-irodori-)
18 サヨナラ (彩-irodori-)
19 master piece (会いたくて)
20 ユビサキ (ユビサキ)
21 TheMe (TheMe)
22 ドラマティック (ドラマティック)
23 会いたくて (会いたくて)
24 星ヶ丘 (六花星)
25 デシタルネバーランド (ミカヅキノキセキ)
26 未来へ (彩-irodori-)
27 君の声と約束 (君の声と約束)



作業用や、じっくり沢山そのバンドを聴きたい時の為に、7年前程に制作したプレイリストを公開してみました。

自分が所有している音源の中から、時間を約2時間弱に抑めるといった程度のゆるい制約のみで様々なバンドを作ってます。

それぞれの楽曲の持ち味がより活きる曲順を意識して作るので、流れを優先する結果、必ずしもリストに入れたいお気に入り曲を全部入れられないときもしばしば(;´∀`)

今回公開した彩冷えるプレイリストは作るにあたっては以下の条件を儲けています。

1 涼平在籍時の音源は含めない(別で作成してます)
2 AYABIEは含めない
3 制作した時点では「辞するモラトリアム」以降の作品は発表されていなかったので無し

その中で彩冷えるの良さを凝縮した、それぞれの曲が立った曲順なのではないかと思います。

中にはプレイリスト製作当時に正式に音源を所有できてなかった「ブラウニー」や「electronic Moonlight」等のライヴ定番曲が漏れてしまっているのが惜しいところ。

今から強引にそれらを入れても良いのだけど、トータル時間が長くなりすぎる上に流れが変わってしまうので諦めています。

ですが選曲はベストオブ彩冷える

もしも彩冷えるをこれから知りたいと思っている人がいたら参考にして頂いても良いのでは☺️

または既存のアルバムの曲順ではなく、新鮮味を感じて彩冷えるを聴きたい人にも試してみてください(*´-`)

それでは、また後日別のプレイリストをご紹介します。

【前編】冬に聴きたい ヴィジュアル系ソング50選

12月に入り空気が冬の香りとなってきましたね。

寒空の下を歩いていると、やはり冬をテーマにした楽曲が聴きたくなってきます。

そこで!!!

ヴィジュアル系バンドによる冬ソング50選特集を書きます!!!

まぁ約35年近くの歴史を持つヴィジュアル系アーティストの中から、ウインターソングを50曲に絞ると言うのはかなり困難(´・ω・`; ) 笑

もちろん、記事を読む中で
「あの曲が入ってない( ;゚皿゚)ノシ」
「この曲よりあの曲でしょ!(o゚Д゚ノ)ノ」
などの意見があることは勿論あって当然。

ですが今回は知名度や売上ではなく、僕が個人的に好きな楽曲やオススメしたい曲を優先して選ばせて頂きます。

選出条件は以下の通り。

ヴィジュアル系、若しくはヴィジュアル系と親和性の高いアーティストによる楽曲であること

・CD、若しくは配信でのリリースがされている楽曲であること

・歌詞の中に、「雪」「聖夜」「クリスマス」「凍てつく」「凍える」など冬を感じさせるワードが入っていること

・1つの名義につき1曲のみ
(例:同じくRYUICHIがVoを務めるバンドだとしたら、LUNA SEAから一曲入っていても、Tourbillon河村隆一の楽曲からの選出は可能。
アリス九號.とA9などの表記だけ異なる同バンドの場合はどの時代を選出しても1曲のみ。
彩冷えるとAYABIEはメンバーや発音が同じでも別バンド扱いとし、どちらからも選出可能)

といった条件の元、選出していきたいと思います。

紹介順はランキングや順位は付けず、完全な順不同にさせて頂きます。

本当はランキング形式にしたかったのですが、どの曲も大好きだし、名曲に優劣を付けるのがナンセンスと判断しました。

1曲ずつ軽いコメントと情報を掲載しますので、参考程度に読んで頂けると幸いです。(アーティスト名やメンバー等の名前の敬称は略させて頂きます。)

それでは行きましょう!!



01 雪葬 / NIGHTMARE(ナイトメア)

ー3枚目のAL「anima」収録。
雪がしんしんと降り注ぐ情景が目に浮かぶ切ないバラードで、アウトロが終わった後に約3分近くのギターによるアンビエントな演奏があるのですが、その情緒豊かな表現力には脱帽です。
ほぼ毎年雪が降ったときはこの曲を聴きながら窓から景色を眺めるのが好きです。笑ー


02 White out / Initial'L

ー2枚目のSG「VISION」収録。何処と無く90年代後半のV-ROCKを思わせる白さを持った楽曲で、vo悠希さんの透明感のある歌声と相まって煌めいた雪が目に浮かびます。ー


03 白い闇 / ROUAGE

ーメジャー3枚目のシングルです。この手のジャンルを好きな方なら言わずもがな名曲であり彼らの代表曲の1つです。所謂一般的にイメージするクリスマス感はありませんが、醸し出される澄んだ空気感は正しく"聖なる夜"に相応しいかもしれません。ー


04 淡雪に君が見せた夢と僕が届ける言葉 /ANUBIS

ーAL「MYTH ~神々の調べ~」収録。LAREINEのベーシストEMIRUさんを中心に結成されたバンドなのですが、低い知名度とは裏腹に楽曲はハイクオリティ。イケボで高い歌唱力とを持つvo壱さんの3声ボーカルが映える、綺麗な白系ナンバーです。何気にこの曲のベースラインがとても格好いい。ー


05 冬のカスタネット /MERRY(メリー)

ー2008年に発売されたシングル。メリーの武器であるレトロチックなバラードで、哀愁漂うvoガラさんの歌声が切ない失恋を痛いくらいに表現しています。悲しいクリスマスソングといえば、真っ先にこの曲が浮かびますね。ー


06 雪になって消えた二人 / La'cryma Christi

ー3枚目のAL「magic theatre」収録。作曲をしたのは珍しくdrのLEVINさん。キャッチーなミディアムナンバーで、イメージとしては夜の冬景色よりも太陽の陽射しに煌めく雪を連想とさせます。ー


07 雪月花-The end of silence- / GACKT

ー36枚目のシングルで、PVの参加サポートメンバーが豪華な事でも話題となりました。和を意識したサウンドワークでありながら、静かな導入から力強くサビで盛り上がるといった楽曲構成はGACKTさんの定番。雪降る夜に独りで聴きたいバラードです。ー


08 君が見る夢の中 / D

ーシングル「Day by Day」の通常盤に収録。Dは他にも「白い夜」、ヒットシングル「Snow white」といった冬ソングがあるので悩みましたが、個人的に推したいのはこの曲。舞い落ちる雪や凍てついた冬の空気をこれでもかと表現しつつ、暖かみもあるのですよね。コンセプチュアルな歌詞が多い彼らですが、この曲の詞はストレートで自分に置き換えて想像しやすいのでは。ー


09 Snowing / Moran

ー2012年発売のシングル。個人的にMoranのゆったりめの曲は外れが無いのですが、中でもvoHitomiさんのアーティスティックな歌詞表現が光る一曲だと思います。雪を使用した比喩表現でこれを越えるものは少ないのではと思ってしまう程、素敵な詩です。ー


10 ain't afraid to die / DIR EN GREY

ー9枚目のシングルであり、7分を越える長尺ウィンターバラード。長さを感じさせないドラマチックな展開で、ストリングスや子ども達のコーラスも導入された彼らの中では珍しい一曲。2001年にリリースされた楽曲ですが、未だにライヴでも演奏されています。これを生で聴けた暁には感動必須ですよね。ちなみにこの楽曲のリミックスはクリスマス感が強くて、そちらもとても素敵です。ー


11 white love story / Raphael

ー元々はレアなナンバーですが、後にシングルスにも収録されファンの中では言わずもがなな名曲。「シャンシャン」というクリスマスらしい鐘の音で始まり、最後は聖歌隊によるゴスペル風なコーラスにより終わるという、キリストの誕生日を祝う本来のクリスマスらしさもありますね。ー


12 ブリリアントワールド / MUCC

ーメンバーからのクリスマスプレゼントとしてサプライズ配信されたシングル。切ない失恋ソングとなっており、語弊を招きそうですが仮にback number辺りのバンドがシングルとして切っていたら一般層でもヒットしていただろうなぁと。最後には大胆な転調が待っており、「きよしこの夜」のパンキッシュにアレンジを聴く事ができますー


13 アシッドスノウ / DIAURA

ー2020年10月に発売されたばかりの19枚目のシングル。儚き思いと凍える季節感を古き良き王道のV-ROCKとして消化。90年代のヴィジュアル系が好きなら嫌いなはずがないでしょう。「Lost Novemver」と「Whiteness」に続く冬の人気ナンバーになってほしいです。ー


14 HANDCUFF / forbidden days rhapsody

ー現Sukekiyoであり、元RENTRER EN SOIのドラマー未架によるソロプロジェクトの一曲。メランコリックで叙情的。緊張感のあるピアノのフレーズや、ドラマティックで重厚感のある世界観は彼の作る楽曲ならでは。プロジェクトの活動が2007年にミニアルバム1枚をリリースしたまま留まっていますが、次のリリースを未だに期待してしまいます。ー


15 遊雪 / S

ー97年発売のシングル曲。このバンドの中で最も知名度のある曲ではないでしょうか。歌唱力やスキルを求めてしまうと肩透かしを喰らいますが、技術とは別の魅力が溢れた、まさしく古き良き90年代のインディーズバンドらしい1曲。ー


16 深雪 / R*A*P

DASEIN、第一期マイフォ、RIDER CHIPS等様々な活動をするRickyがボーカルを勤めるユニットによる1曲。2004年に発売されたミニアルバムに収録されていて、知名度は高くないと思いますが、普遍性を持った歌謡ウィンターバラード。高い歌唱力が映える、純粋に良い曲です。ー


17 星ヶ丘 / 彩冷える

ー2008年発売のミニアルバム「六花星」に収録。冬特有の空気感や寒さと、暖炉のような暖かさ。そのどちらも感じられる楽曲で、優しいアコースティックギターの音色やメロウな楽器隊のフレーズがかなり良い味出してます。vo葵の綺麗なファルセットも堪能できる1曲です。ー


18 WHITE HEAVEN / Libraian

ー2011年発売の2ndアルバム「STELLA ESPERANZA」に収録された切ないクリスマスソング。ラクリマのTAKAとHIROによるユニットなのですが、ギタリストが1人だということを忘れさせる程のギターの情報量。1つ1つのフレーズが冬の情景の表現や、場面転換として機能してるんですから天才ですよ(笑)個人的には数あるクリスマスソングの中でもTOP10入り間違いなしの一曲ですね。本当にクオリティが高いなと、感心させられっぱなしです。ー


19 HOLY KNIGHT / LUNA SEA

ー2016年のさいたまスーパーアリーナ公演で限定発売されたシングル。優しさや温かみを感じさせる、ゆったりとしたクリスマスソングです。綺麗なアルペジオや宇宙的に広がる世界観はLUNA SEAならでは。キャリアを重ね円熟味の増したRYUICHIによる深みのあるボーカルには本当に包まれるような感覚に陥ります。手に入れづらいレアな楽曲なのが勿体ないくらい素晴らしい1曲です。ー


20 Hurry Xmas / L'Arc〜en〜Ciel

ー2007年発売の33枚目のシングル。アコーディオンやホーンを使ったクリスマスパーティーチューン。ジャズテイストといった洋の要素を上手く取り入れていますよね。個人的に楽しげなクリスマスソングとしてはこの曲を越えるものはないんじゃないかと思うくらい。「I wish」といい、ラルクはハッピー感のあるクリスマスソングを作るのが本当に上手いですよね。恋人にプレゼントを渡すのを楽しみにしている歌詞の様子や、鮮やかに飾られたクリスマスツリー、ひいてはサンタクロースの姿が目に浮かびます。毎年クリスマス近くになれば必ず聴く曲ですー




という事で20曲!!
前編がやっと終了です。
クリスマスに間に合わせたいという思いから、前編ではクリスマスソングを多めに選曲してみました。

いや~しかし、1バンドにつき冬曲が複数存在している場合は選曲にとても悩みましたでした。笑

ラルクなんて「Winter fall」「Snow drop」「雪の足跡」「BLESS」と思い付くだけでこんなに冬に纏わる名曲があるというのに…

ですが貴重なクリスマスソングということで「Hurry Xmas」を選んだ次第です。笑

次回はいつ更新になるかは分かりませんが、
冬が過ぎ去る前には後編を投稿しようと思います。

これを読んでくれた方の誰かが
まだ見ぬ素敵な冬ソングに1曲でも出逢えたなら幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

ピンクのマーガレット/小林梓

2018年1月28日に発売された4枚目のシングル。
前作のミニアルバムに続き、LAREINEのギタリスト・MAYUによる楽曲提供です。

前作と今作が、大好きなLAREINEのMAYU作曲という事に飛び付いて購入した為、それまで小林梓さんの事は存じておりませんでした。
ですので、小林梓さんのファンの方が読まれたときに不満に感じる事もあるかと思われますがご理解ください。


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評価
★★★★…特別大好きな曲で特にオススメしたい曲。
★★★…好きな曲でオススメしたい。
★★…個人的に普通。悪くないよね!くらい。
★…正直自分はあまり良さを見出だせない苦手な曲。


01 ピンクのマーガレット
…★★★☆
キラキラとした華やかなシンセが印象的なフレンチポップ。
場面ごとにリズムパターンが変わるのがドラマティックで、サビでの切ないメロディは我らがMAYU節炸裂。
Aメロでのハッピー感を持続したままの展開にせず、サビで突然思いが巡ったかのようにマイナー調になるのが巧いですよね。
恋をする女性への想いを綴った歌詞、そして恋をする中での甘酸っぱさを上手く表現しているなと。

歌唱力は特別高くないのだけど、素朴で嫌みの無い小林さんのボーカルとの相性も意外と悪くないように感じます。


02 夢々~Ever Changing~
…★★★★
こりゃまた、お耽美色の強めな90年代のヴィジュアル系がやってそうなメロディアスロックチューン。
生きる事への問い掛けを浪漫たっぷりに綴った歌詞と切ないメロディの組み合わせは完全にVのそれです(笑)
こういった"儚さ"を持った曲ってほとんどの確率で刺さります。
割りと気に入ってしまった1曲となりました。


03 銀月
…★★★☆
ピアノとデジタルサウンドが前に出た、ゆったりと哀愁が漂う1曲。メロディは相変わらず切なく、歌謡曲テイスト。
他の女性アイドルグループ等もやっていそうなタイプの曲なのですが、メロディや歌詞のワードチョイスに耽美色が感じられるものとなっており、ヴィジュアル系リスナーにも刺さりやすいものとなっているのではないでしょうか。


04 白い糸
…★★☆☆
LAREINEのメジャー1stアルバム、「フィエルテの海と共に消ゆ」に収録されていたMAYU作曲の「白い糸」をcoverしたものとなっております。
バンドサウンドがメインだった原曲から、キレイなシンセ音が主体となったアレンジへ。
詞と共に歌謡ライクなメロディですし、女性が歌っても違和感なしですね。
メロディも歌詞も原曲に忠実なのに、女性が歌うだけで原曲の外伝みたいに聴こえてきて面白い。


総評
小林梓さんのファンの方々からどんな評価を受けているかは解りませんが、MAYUファンの僕の感想は"満足度の高いシングル"だなと。
全曲MAYU作曲ではありませんが、その他の作曲家による楽曲も思いの外気に入ってしまいましたもん。
小林さん自身がゴシックや耽美なものが好きというのもあり、4曲全てどこかしらにヴィジュアル系っぽさを感じられる仕上がりになっております。

MAYUの作る哀愁を感じる歌謡テイストなメロディが好きな方なら、ハズレだと感じる曲はないのでは。

小林梓さんによる歌唱も、これから更に深みを増していけるのではといったポテンシャルを秘めており、活動休止が非常に残念です。


総合点数…70点
★☆☆…捨て曲なしの良盤

Imperial Concerto/LAREINE

2006年3月26日に発売された、LAREINEのベストアルバム。
2004年の復活後にリリースされたシングルを全て収録したシングルコレクションです。

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評価
★★★★…特別大好きな曲で特にオススメしたい曲。
★★★…好きな曲でオススメしたい。
★★…個人的に普通。悪くないよね!くらい。
★…正直自分はあまり良さを見出だせない苦手な曲。


01 Imperial Concerto
…★★★☆
2004年にヴィジュアル系雑誌、SHOXXによる通販にて販売された「女王という名の貴公子」という十周年記念ヒストリーブックに付属していたCDに収録されていた1曲。
KAMIJO作曲の哀愁シンフォニックロックとでも言いましょうか。
上品なストリングス風シンセから始まり、MAYUの激しくも哀しいメロディアスなギターが重なるイントロの時点で、もう既に優勝。笑
とにかく展開がドラマティックで、後期LAREINEの名曲の1つです。

歌メロはゆったりとしているのですが、演奏陣のプレイは激しめで、出るとこは出るというスタイル。
特にギターの分厚いサウンドが格好いい。
KAMIJOの作る曲は例外なく言えるのですが、この曲もとにかくメロディが綺麗で切ない。
歌詞は、幻だと分かりながらもそれを追う事でしか生きられない哀しみや切なさを描いています。
一見すると愛する者への気持ちにも解釈できますが、この歌詞の中の「貴方」とはKAMIJOにとっての音楽や理想そのものなんだとか。

2015年にソロのKAMIJO名義でこの曲をリメイクしているのですが、そちらはメタル要素が色濃くなりKAMIJOの歌声も力強いものとなっています。
そちらもかなりの完成度を誇るアレンジが施されているので、是非チェックしてみてほしいですね。


02 蝶の花
…★★★★
メンバー3人の衝撃の脱退後、KAMIJO1人でLAREINEを存続し、シングルとアルバムを1枚リリースしましたが、その後、やむなく活動休止をする事に。
そんなLAREINEの復活第一弾となったシングルが、この「
蝶の花」。
一人LAREINEでリリースされた楽曲群は、かつての華やかさや耽美さは影を潜めていましたが、この曲ではファンのイメージするキラキラとしたLAREINEを堪能出来る仕上がりになりました。
ポップでいながら上品でメロディアス。
蛹から綺麗な蝶へと生まれ変わってゆく歌詞の中には、「再会の花」というメンバーとファンを繋ぐ代表曲のタイトルも入っているという、復活を告げる1発目の曲としてはこれ以上に無い程の仕上がり。
楽曲を彩る煌びやかなMAYUのメロディアスなギターフレーズ、耳を引くEMIRUのベースライン、タイトで華麗なMACHIのドラミングがそこに加われば、それは他の誰も真似できないLAREINEワールド。

1曲目同様に、2015年にKAMIJOのソロによりリメイクされましたが、欲を言えば陽の目を浴びていない原曲を一人でも多くの人に聴いてもらいたい。

この時代、この瞬間だからこその空気感や、ポジティブなエネルギーの詰まった名曲です。


03 Scarlet Majesty
…★★★☆
MACHIの後任ドラマー・KAZUMI加入後、初の参加となったKAMIJO作曲のシングル曲。
後に描かれるコンセプト作品のスタート的なポジションで、異国感を感じる音色や広大な大陸を思わせるアラビアンなAメロなど、これまでのLAREINEには無かった毛色のアレンジが施されています。
愛する女性との恋を星座に比喩した歌詞は秀逸。
大サビの展開が切なくて胸を締め付けますね。
メロディや音色からも、星空や夜空を連想できる仕上がりになっています。
どんなテイストもロマンチックな世界に落とし込むKAMIJOの才能とメンバーのアレンジセンスは流石としか言いようがないですね。

余談ですが、KAZUMIにとって最も印象深い楽曲はこの曲なんだとか。


04 眠れぬ恋は真珠
…★★★☆
シングル「Trailer」に収録された、KAMIJO作曲のスローバラード。
ストリングスのようなシンセとピアノの音色がフィーチャーされていて、しっとりと聴かせるタイプの楽曲です。
淡々とリズムを刻むドラムと、地を這うようにうねるベースラインがボトムを支える本楽曲は、ギターサウンドは一切無し。

歌詞は珍しく、人間の汚さや世界中で巻き起こる争いに憂い嘆く内容となっていて、とてもシリアス。
命の大切さを感じ、周りに流されず自分の信念を貫いて生きる事への覚悟も感じられ、メッセージ性の強い歌詞となっています。
平和への祈りを込めるようなKAMIJOの優しい歌い方がメロディや世界観にも合っていて、まるでレクイエムのようにも聴こえてくるから不思議です。
ラレーヌ時代のKAMIJOのボーカルは好き嫌いが分かれますが、この歌声だからこそ、切ないロマンスを描くラレーヌの世界観が成立しているのだと思います。


05 Trailer
…★★★☆
MAYU作曲による疾走感のあるメタルチューン。
冒頭シンセ後のメタリックなギターリフが堪らなく格好いい。
スウィープ等のテクニカルなギタープレイの他、然り気無くドラムのツーバスもドコドコ鳴っており、メタル好きにとって満足度の高いイントロとなっています。
長めのギターソロも用意されていて、勢いを落とさないまま駆け抜けていく楽曲構成も良き。

主張した激しい演奏と、メロディアスな優しいボーカルとの対比はラレーヌならでは。
"ボーカルが弱い"と捉えてしまうのも間違いではありませんが、このアンバランスなバランスがLAREINEのメタルチューンとしてのベストだと、僕は捉えています。

「ひび割れた鏡」「鳥かご」「少女」「鉄格子」など、所謂ダークな音楽性のヴィジュアル系バンドが使いそうな言葉選びをした歌詞はラレーヌでは少し新鮮ですね。


06 再会の花
…★★★☆
インディーズ時代からライヴのラストを飾るMAYU作曲の定番曲を、現メンバーでリテイクしたもの。
おそらく5度目のレコーディングテイクなはず。
大胆なアレンジは無いにしても様々なヴァージョンがあるので、些細な歌い方の違いやフレーズの変化はあり、どのテイクが好きかは完全に好みと思い入れで異なってくるでしょうね。
ちなみに僕は2003年にシングルとして発売した際のテイクが一番好きです。
ですがそのテイクはテンポがちょっとゆったりし過ぎていて、幸福感と共に若干の間延び感も感じてしまうのですよね(笑)

あとアルバム内でこの順番にこの曲を配置した意図がわかりません(笑)
でも楽曲そのものは普遍の名曲です。


07 レッスン
…★★★★
「愛を込めて、レッスンを」という冒頭の台詞の後に続く、ドラムのフレーズがインパクト大。
KAMIJO作曲の哀愁歌謡メタルチューン。
勢いと疾走感のあるリズム隊の演奏に、クサイ程クラシカルなギターフレーズを響かせるイントロがズルい…。
この手のものが好きな人にはドストライクでしょ。
Aメロ、Bメロ、何処を切り取ってもドラマティックで、全パートサビといっても過言でない程に贅沢なメロディ。
Bメロで一度テンポを落として、そこからサビで再び加速させる緩急のある展開も素晴らしい。

そしてラストの大サビでの転調は反則でしょう…。
主旋律に絡み付くような泣きのギターがツボでツボで…。

歌詞の、ピアノと五線譜を擬人化したような表現は全ジャンルの中で見ても斬新なアイデアではないでしょうか。
KAMIJOの作詞・作曲の才能は本当に図り知れませんよ。

謡曲のような綺麗で哀愁を帯びたメロディと、激しいメタル調な演奏の融合といった意味では、個人的には1つの理想系。

もっと多くの人に届いてほしい名曲です。


08 月の狩人
…★★★☆
こちらもシングル「Trailer」から。
KAMIJO作曲のナンバーなのですが、これがまた彼らの中では物珍しい楽曲なのですよ。
疾走感のあるメタリックな演奏の上でKAMIJOが紡ぐメロディは、なんと和風!
フランス、パリ、延いては「ベルサイユの薔薇」とも親和性の高い音楽性で活動しているバンドにとって、これは1つのチャレンジ。
結果、穏やかさを持つ和のメロディとKAMIJOの優しげな歌声との相性が良い事で違和感は少なく、むしろ激しめのアプローチの楽曲の幅を広げマンネリ化を防ぐ機能を果たせたのではないでしょうか。
何処と無くですがサビのメロディ、和を軸としたバンド、Kaggra.っぽさがあるような気がします。
一志が歌っても違和感なくハマるのでは。


09 雪恋詩
…★★★★
EMIRU作曲によるウインターバラード。
始めに言っておきますが、個人的に00年代にリリースされた全バラードの中で間違いなくTOP10入りします。
好き故に痛々しい文章になる可能性がありますが多目に見てやってください(笑)

しんしんと雪が降る夜に聴きたい、痛いほど切ない失恋を歌った1曲。

ゆったりとしたオルゴールでスタートし、始まるのはストリングスとピアノによる演奏。
その音色に寄り添うようにしっとりと歌い上げるKAMIJOのボーカルが、凍てついた冬の空気感を表現。
1番はピアノによる独唱で、サビ終わりから本格的にストリングスが入り、ベースとドラムも加わります。
2番のサビ前からギターが重なるのですが、その瞬間の然り気無い盛り上がりもツボ。
言葉は聞き取りにくいですが、間奏ではピアノによる旋律の裏でKAMIJOによる語りも。
その後のCメロ→落ちサビ→転調する大サビという展開は、正しくバンドコンセプトでもある"究極の期待通り"。

とにかくメロディが切ない。
各パートごとにゆっくりと盛り上がり、ラストの転調を迎えた時には涙無しでは聴いていられませんよ。

海外のファンからの評価の高く、間違いなく後期LAREINEの代表曲の1つ。

とはいえ、復活後にリリースされた楽曲はメジャー時代と比べセールスや知名度がとても低いです。

この曲に限った話ではないですが、全盛期よりも更にクオリティの上がった曲達が陽の目を浴びなかったというのは非常に残念な話です。

数々の冬ソングが存在するバンドですが、改めてその中でも特にオススメしたい珠玉の名バラードだとここに記述させて頂きます。


10 ドラマ
…★★★☆
「さくら」と両A面シングルとして発売されたKAMIJO曲。
線路を走る汽車の音と汽笛によりスタート。
この音を聞くと、メジャー1stアルバム「フィエルテの海と共に消ゆ~THE LAST OF ROMANCE~」に収録されていたインストゥルメンタル、「retour」を思い起こしますね。
キラキラとしたシンセとアコースティックギターの音色が印象的で、ワクワクするようなテンポ感を持ったイントロとサビが新鮮です。
「初雪が舞い散る頃」と歌詞にあるように、雪が積もった真冬の景色よりも、12月初頭くらいの空気感がしっかりと醸し出されています。

恋の回想をドラマに見立てた歌詞も秀逸。
KAMIJOの描く詩はどうしてこうもロマンティックで切ないんだろ。

MVも作られていない為、全体的にマイナーな後期の中でも特に知られていない曲なのが勿体無いくらいのクオリティをもった楽曲です。


11 道化師の舞曲
…★★★☆
歌詞、曲ともにMAYUによるシングル曲です。
パイプオルガンの音色がフィーチャーされたアップテンポな楽曲。
「踊れ踊れ道化師達よ」と歌うサビメロがキャッチーで耳に残り易いです。
さすがMAYUによる楽曲らしく、主張したハードなギターが格好いい。
サビで鳴るハモりのギターフレーズは、同じくMAYU作曲の「白い糸」のアウトロのソロを彷彿とさせますね。

骨太ながらに疾走感のある演奏が格好いい曲なので、籠りのないクリアな音質で聴いてみたい。
このアルバムごとリマスタリングして発売してくれないかなぁ…*1


12 Cinderella Fantasy
…★★★☆
KAMIJOによるポップで華やかなシングル曲。
何処と無くパレードを思わせるシンセが前に出たサウンドで、他の楽曲に比べロック感の薄い印象を抱かせます。
歌詞はストレートなラブソングなのだけど、ギターソロの後にはハンドクラップの音も入るなど、ファンタジックでお上品なパーティーソングっぽさもあるかな。
こんなにもハッピー感の漂う楽曲はLAREINEの中では珍しいですよね。
大サビでは転調し、より幸福感を増してゆく展開も。

良曲なのだけどインパクトには欠ける、惜しい感じのする1曲です(笑)


13 さくら
…★★★★
作詞作曲MAYUによる、ミディアムナンバー。
タイトル通り、温かな陽射しや卒業時期の空気感を感じさせる春ソングです。
イントロが秀逸で、ボーカルが歌い出す前から既に名曲確定。
冒頭のディレイの掛かった綺麗なギターサウンドから、シンセやリズム隊が重なり、段々と盛り上がってゆく展開が素晴らしい。

歌詞は亡くなった愛する者への気持ちを綴った内容。
サウンドやメロディが醸し出す通り、歌詞の主人公の愛する人への想いも深く優しいのですよね。
楽曲の持つエネルギーやメロディは明るく希望を感じさせるのに、歌詞は堪らなく切ない。
それを穏やかに優しく歌い上げるKAMIJOのボーカルと、泣きまくりのMAYUのギターで表現するんだから名曲にならない訳がないでしょう。
EMIRUによるメロディアスなベースラインも、琴線に触れてくる。

そして大サビ最後の展開もとてもドラマチックで、つい涙を誘われます。

こんな名曲が埋もれてるんですから。
ヒットチャートなんて⚫喰らえですよ!笑

日本には桜と題したヒットソングが沢山存在しますが、その中でも自分にとっては何よりも大好きな楽曲です。


14 Vampire Romance
…★★☆☆
LAREINE、NEW SODMY、RIBBONの3組によるオムニバス作品、「VAMPIRE ROMANCE」に収録されていた曲のリテイクverです。
イントロもカウントも無く唐突に曲が始まるので、前の曲の余韻を容赦なくぶち壊してくれます。笑
オリジナルアルバムではなくシングルコレクション、そしてこの楽曲がボーナストラックとしての収録という事実を踏まえた上でも、この唐突な流れはどうにかならなかったものか。笑

ハードなサウンドに、吸血鬼をテーマにした歌詞。
珍しくロマンティックで切ない要素が影を潜めている楽曲で、悪くないけど華に欠ける印象。

似た系統の曲の中でも、「SCREAM」に収録されていた「Miss Carmila」の方がメロディにメリハリがあって好きですね。
演奏はこちらに軍配が上がるけども。

それでも収録元のオムニバスは所持していないので、このアルバムでの収録は嬉しい限り。



総評
シングルの寄せ集めとはいえ14曲中、8曲が他アルバム未収録で、どれも廃盤となっており現在は入手困難。
なのでこのアルバムを買えばお得ですよと一口に言ってしまいたいのですが…
なんせこのアルバムの方がそれらのシングルよりも今では希少価値が高く、購入が極めて困難な上に、プレミア価格が付いていて値段が物凄く沸騰しています。
僕が先日Amazonで値段をチェックしたら15万円という、CDとは思えない程の金額で腰を抜かしました。(笑)
なので、ほぼ現在このアルバムを入手するのは不可能です。
そんなアルバムを人に進めるのは如何なものなのかと自分でも思うのですが、そんな思いが消し飛んでしまう程に素晴らしい作品なのです。

陽の目を浴びなかった後期LAREINEですが、リリースされた楽曲のクオリティは間違いなく全盛期を越えています。
改めてシングルを並べて聴いていると、これらの楽曲が評価されなかったのは勿体無さすぎて悔しくなってくる程です。

セールスや知名度と相反して、収録された楽曲はどれも名曲揃い。
"色褪せない"とはこの事。
レビューを書くにあたって一度アルバムを聴き直したのですが、
切ない楽曲をやらせたら歌唱力や演奏力云々は関係なく、彼らの右に出るものはいないと改めて思いましたね。





総合点数93点。
★★★…少しでもお求め易い価格で見かけたら直ちに購入するべきですよ盤。

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